近代産業株式会社

コラム




2023.10.10

国家戦略特区である池袋の戦略と変化

日本各地で行われている再開発は、都市のグローバル化や経済の発展のために行われています。しかし再開発を行う上で制度の枠を超えて開発を行うのは意外と難しいものです。

そこで制度の枠を超えた開発を行えるために作られたのが『国家戦略特別区域』です。本記事では国家戦略特別区域である池袋の目指すものや、池袋が再開発でどのように変化していくのかを紹介します。

国家戦略特区とは?

国家戦略特区とは?

国際競争力の向上・国際的経済活動の拠点形成に関する施策の総合的、かつ集中的な推進を図るための岩盤規制の改革を推進するときに規制がネックになることがあります。

国家戦略特区はこれらの規制を大幅に緩め、ビジネスがしやすい環境を整え構築しやすくするための実験区域です。

国家戦略特区とは?

国家戦略特区としての池袋のねらい

国家戦略特区としての池袋のねらい

池袋は池袋周辺の再開発に伴い、国際社会に向けてアート・カルチャーを発信しやすい環境を整えた都市構想を行う方針が決定しました。これを池袋ブランディング・シティ戦略として公民連携を取って実現に向けて進めています。

池袋ブランディング・シティ戦略検討会が開かれ、各分野からメンバーが選出されました。メンバーは以下の通りです。

国家戦略特区メンバー:学識経験者

豊島区国際アート・カルチャー都市懇話会員・太下義之氏・東京大学 羽藤英二教授・MIT・スプニツ子!助教・立教大学 首藤若菜准教授

国家戦略特区メンバー:域内企業

デジタルアーツ東京・KADOKAWA・アニメイトホールディングス・理化学研究所・本田技研研究所パワープロダクツR&Dセンター・良品計画・Barbara Pool

国家戦略特区メンバー:まちづくり推進事業者

三菱地所・東京建物・東武鉄道・西武鉄道・そごう・西武・サンシャインシティ・UR都市機構

国家戦略特区メンバー:オブザーバー

国土交通省・経済産業省・東京都政策作企画局・東京都都市整備局

国家戦略特区としての池袋のねらい

都市再生緊急整備地域

都市再生緊急整備地域

国家戦略特区としての池袋で再開発が行われる区域は駅周辺ですが、広範囲で行われる予定となっているので、区域内でも特に注目すべきいくつかの場所を詳しく紹介します。

豊島区庁舎跡地活用事業

豊島区庁舎は移転して新庁舎となっていますが、実は新庁舎に移転する費用を極力抑え実質0円で移転が完了しています。錬金術とまでいわれた方法で実現した移転ですが、国家戦略特区としての開発のために旧庁舎も再利用されています。

豊島区庁舎跡地には、Hareza池袋を建設して多くの方々が利用しています。この建物はさまざまなアートイベントなど催しが開催されます。利用はどなたでも可能で芸術やアートを発信するのに役立てられています。

劇場以外にはレストランやショップやスペースレンタルなどの利用も可能です。イベントやアート作品の展示会などの利用については、Hareza池袋のホームページから相談ができます。

●HAREZA池袋ホームページ:https://hareza-ikebukuro.com/

超高層ビル3棟建設(池袋駅西口地区)

国家戦略特区としての池袋西口周辺の再開発では3棟の超高層ビルが建設予定です。池袋マルイの跡地に建設予定のビルは高さ約140mを予定しています。ビルにはショッピングエリアや企業などが入る予定です。

利便性がよい場所でもあるため、池袋マルイ跡地周辺の不動産価値がぐっと上がっているのにも注目が集まっています。

3つの超高層ビルが建設されることによって、スッキリとした景観へと生まれ変わります。当然、不動産業界や投資に期待が高まり、これも国家戦略特区としての優れた効果です。

都市再生緊急整備地域
都市再生緊急整備地域
池袋駅周辺(西口・東口)

池袋駅東口と西口の再開発では、車道を通らなくても西口から東口へ抜けられる広い歩道橋が建設され、小さなお子さんやご高齢の方々も事故などに遭遇する危険が回避できます。

この道は「池袋駅東西連絡通路」といい、連絡通路上ではイベントやマルシェなども開催されます。平日でもさまざまな催しが開催されていますが、休日には趣味や芸術を発信する場としても活用されています。

これも国家戦略特区として注目を集めている開発です。

4つの大きな公園の整備が行われる

東京の副都心として人気の高い池袋ですが、自然豊かな大きな公園を4つ整備しています。一つが南池袋公園で、広々とした公園内には緑の芝生が敷き詰められ、ピクニックを楽しめます。

園内にはカフェなども営業しているため、散歩しながら美味しい軽食も楽しめます。中池袋公園では「アニメの聖地・池袋」としてのアニメカフェを設置しており、イベントも多数開催されています。

池袋西口公園ではグローバルリングカフェがあり、多言語に対応した観光資料などを配布しています。4つ目はとしまみどりの防災公園です。ここは豊島区で最大の広さを持つオアシス的な公園となっています。

災害時には防災の拠点としての役割も担っており、広々とした開放感あふれる公園です。住みやすい街づくりも国家戦略特区として欠かせない開発です。

ロサ会館周辺

ロサ会館は映画館・レストラン・美容・スポーツなどを楽しめるアミューズメントスポットです。映画やスポーツを楽しむのはもちろん、ネイルサロンやレストランなども完備されています。

天候に左右されずにレジャーを楽しめるため、子ども連れのご家族や高齢者にも人気のスポットとなっています。また、ロサ会館のレストランはグルメ情報サイトでも評価が高く、美味しい食事を楽しみたい方にもおすすめです。

もちろんロサ会館周辺も国家戦略特区として整備されます。

ここまで、国家戦略特区とはなにか、国家戦略特区となった池袋の再開発の様子について紹介してきました。再開発によって池袋はより洗練された景観と、都会のオアシスとして生まれ変わります。

また、再開発によって不動産価値も高くなり資産運用を検討する方にも注目を集めています。この記事が国家戦略特区についてや池袋に興味を持つ方のお役に立てれば幸いです。

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