日本の商業施設はどこもキレイに管理されていて、海外から訪れる方々をも魅了しています。
日本人にとって当たり前かもしれませんが、実はビル管理を行う業者がいてこその美しさです。
本記事では、ビル管理とはなにか、仕事内容について、そしてビル管理を行うための資格について紹介していきます。
【もくじ】
ビル管理はオフィスや商業施設を含む、建物のメンテナンスなど保全点検を行う仕事です。建物内の清掃だけが仕事ではありません。ビルの清掃業務はビル管理の仕事内容のひとつでしかないのです。
ここではビル管理の仕事の内容を細かく分類し、それぞれの仕事内容についてわかりやすく説明します。
ビル管理の仕事内容で人の命を守るための業務が保全点検です。法律で定められた点検業務(法定点検)を定期的に行い、修繕などに取り組むのが主な仕事内容です。
法廷点検は義務で、ビル管理は定められた最低限の定期点検を行わなければなりません。点検は以下の項目に分けられています。
・建築基準法
・電気事業法
・消防法
・省エネ法
・ビル衛生管理法
・水道法
・労働安全衛生法
・高圧ガス取締法
・浄化槽法
また、オフィスや商業用施設では火災などが起った場合、施設を利用している方の安全を確保できなければなりません。そのための法定点検と最低点検数は以下の通りです。
・消防訓練 年2回
・スプリンクラー設備保守点検 年1回
・排煙設備保守点検 年1回
・防火対象物定期検査 年1回
・連結送水管耐圧試験 3年1回
・外気消防設備保守点検 年1回
・総合消防設備保守点検 年1回
オフィスや商業用施設の施設を気持ちよく使うためのメンテナンスが清掃業務です。特にトイレなど水回りがキレイだと利用する方も気持ちよく施設を利用できます。実はキレイだと汚す人も少なくなるため重要な業務です。
ほかにも常にキレイに清掃されている建物だと、建物を利用する方だけではなく建物を借りる方の入居率も上がります。清掃業務はとかく嫌がられる業務ですが、ビルの価値を上げる仕事です。
また、建物内の空気環境の測定をしたり水質検査をしたりもします。場合によっては害虫駆除や定期的な給排水設備の点検清掃も行います。
商業用施設の警備やオフィスの警備業務もビル管理の仕事内容のひとつです。特にオフィスや商業用施設では夜の時間帯は営業外なため人がいません。深夜に不法侵入されて犯罪の被害に遭う可能性もあります。
そこでビルの警備業務をビル管理会社が担うケースが増えています。近年では無人になった建物の内部にセンサーや監視カメラが取り付けられ、異常があれば点検に行く業務もビル管理の仕事内容のひとつになっています。
衛生管理業務は清掃業務と連動している部分があります。水質検査や害虫駆除はもちろん清掃業務も含まれています。さらに近年では感染症対策のために、ビル内の空気環境を整える業務も行います。
ビル管理の仕事内容は清掃業務や点検業務ばかりではありません。近年では空室対策やテナント誘致などの賃貸管理業務や、利用者への請求出納業務などのアカウント管理業務や原状回復なども行います。
また原状回復だけではなく、付加価値を上げるリノベーションなどのリニューアル工事を行う業者も増えています。特に注目が高いのがバリアフリー化工事です。高齢者が多い日本ならではのサービスですね。
オフィスや商業施設では、毎日多くの方々がエレベーターやエスカレーターを利用しています。日本ではほとんどこうした昇降機での事故はありません。実はこれもビル管理の仕事内容に含まれています。
定期的なエレベーターやエスカレーターの点検を行い、必要であれば整備も行います。また、建物内で利用している電気やガスといったライフラインや、火災や災害が起こった場合に使う消防設備などの点検や整備も行います。
このようにビル管理の仕事内容は項目も多く、それぞれの知識も場合によっては修理を行うための技術も必要とする仕事内容なのです。
ここまでビル管理の仕事内容について紹介してきましたが、この業務を行うには国家資格が必要です。ビル管理が資格名ではなく「建築物環境衛生管理技術者」というのが本当の名称となります。
この資格を取得するには7科目合計65%、各科目40%以上の正解率でなければ合格しません。しかも大学・短期大学など指定課程を卒業し、ビル管理の実務経験が1年~5年以上なければ取得できない資格です。
費用も意外と高く(10万円以上)建築物環境衛生管理技術者講習会を3週間受ける必要がある難しい資格です。
だからこそビル管理の需要は高まっています。
もしこの業種に興味がある方や将来性のある仕事をしたいなら、ビル管理の仕事と資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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